英米文化学会第145回例会
◆	英米文化学会 第145回例会のお知らせ					
                                   (例会担当理事: 河内裕二)						
						
日時:平成26年11月8日(土)午後3時00分〜6時00分						
   午後2時30分受付開始						
場所:日本大学歯学部4号館3階第3講堂						
       (JR 御茶ノ水、営団千代田線新御茶ノ水、都営新宿線小川町他下車) 						
懇親会:会場:日本大学歯学部3号館地下ラウンジ						
        時間:午後6時〜8時 懇親会のみの参加も歓迎いたします。						
        会費:1,500円						
						
						
開会挨拶						
	英米文化学会会長 小野昌 (城西大学)				(3:00−)	
						
研究発表						
1. 医師としての未熟さ:Tender Is the Nightにおける「人間のもろさ」						
					(3:10−3:40)	
	発表  中村一輝  (協同出版・日本英語検定協会)					
	司会 長谷川千春 (鶴見大学)					
						
2. Definitions of Federalism in Burma, an English-Derived Loan Word						
  in Burmese						
					(3:40−4:10)	
	発表 Nang Seng Hong (大東文化大学)					
	司会 北林光 (大東文化大学)					
						
		休憩(4:10−4:20)				
						
3. ディケンズの『バーナビー・ラッジ』におけるヘアデイルとチェスターの						
  決闘の意義						
					(4:20−4:50)	
	発表 水野隆之 (早稲田大学)					
	司会 閑田朋子 (日本大学)					
						
4. ピート?シーガーにおけるフォーク?ミュージックと社会貢献						
					(4:50−5:20)	
	発表 赤木大介 (大東文化大学大学院)					
	司会 君塚淳一 (茨城大学)					
						
閉会挨拶						
	英米文化学会理事長 曽村充利 (法政大学)					(5:20−)
						
						
研究発表抄録						
						
1. 医師としての未熟さ:Tender Is the Nightにおける「人間のもろさ」						
			中村一輝  (協同出版・日本英語検定協会)			
						
" フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド ( Francis Scott Key Fitzgerald,
1896-1940 ) の『夜はやさし』 ( Tender Is the Night, 1934 ) において、フィッツジェラルドは
リチャード・ダイヴァー博士 ( Dr. Richard Diver ) の人生とその妻であるニコル ( Nicole ) の
人生を対照的に構成し、ダイヴァー博士の人間的もろさを巧みに描き出している。例えば、ダイヴァー
博士の人生が下降するのに対し、ニコルの人生は上向きになるからである。
 ダイヴァー博士はニコルの資産で診療所を開き、精神科医になる。しかしニコルと離婚した後、
一般医として開業していることから、医師としての未熟さが読み取れる。
 Jonathan SchiffやMary E. Burtonが示すような、精神分析批評をはじめ、ダイヴァー博士の転落の
要因をニコルとの結婚生活に焦点を当てる研究は数多くなされている。本発表では、ダイヴァー博士が
ニコルと結婚した理由を、経済的に貧しいダイヴァー家と裕福なウォレン家の生活環境の違いから
考察し、ダイヴァー博士の転落の意味を論じる。
"						
						
2. Definitions of Federalism in Burma, an English-Derived Loan Word						
  in Burmese						
   				Nang Seng Hong (大東文化大学)		
						
" Federalism is derived from the Latin foedus and, a term used to designate autonomous
territorial units of the Western Roman Empire enjoying extensive self-government. 
Federalism is based on a concept of the territorial nature of much of the world's 
cultural diversity and the consequent political need, in certain cases, to promote 
a system of sharing power between a central government and subnational governments.
 The English loan word federalism has entered both the Burmese language and the 
languages of the ethnic groups in Burma. Consequently, the issue of federalism has 
been the object of an armed conflict between the majority Burmese and the ethnic 
minorities groups for over 60 years.
 Media, government statements, and unpublished documents will be used in this research 
to reveal the disparities in the understandings and usages of the terms federal and
federalism both in semantic and sociolinguistic viewpoints. 
 How the Burmese government defines federalism, why it refuses to accept other usages 
of the word federalism, and why it does not appear in the constitution are among the aims 
of my research and central to this presentation. "						
						
3. ディケンズの『バーナビー・ラッジ』におけるヘアデイルとチェスターの						
  決闘の意義						
				水野隆之 (早稲田大学)		
						
" チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens, 1812-70)の『バーナビー・ラッジ』(Barnaby
Rudge,1841)は1780年のゴードン暴動を扱っていることから、ディケンズが書いた数少ない歴史小説
とされる。この作品の先行研究を概観すると‘public’ と‘private’ の二語がキーワードとして
頻繁に用いられてきたことに気付く。その主旨は、ゴードン暴動という「公な(public)」ものを
題材にしながらもディケンズはあくまでも各登場人物の「個人的(private)」世界を書こうとした、
というものである。本発表では結末で描かれるジェフリー・ヘアデイルとジョン・チェスターの
決闘に着目してこの点を検証する。具体的には、決闘に至るまでの間に二人が対峙する場面を
一つ一つ見ていき、二人の対立にも‘public’ と‘private’の要素を見出せること、この決闘は
チェスターへの罰という意味を持つこと、そして個人の世界を描いた小説の結びとしてこの決闘が
何故相応しかったのかということを論じる。"						
						
4. ピート・シーガーにおけるフォーク・ミュージックと社会貢献						
				赤木大介 (大東文化大学大学院)		
						
" フォーク・ソングの父といわれるピート・シーガー(Pete Seeger, 1919-2014)の音楽活動による
社会貢献には、主に2つの点が挙げられる。一つ目は、20世紀のアメリカでの労働問題、公民権
運動、反戦運動、環境問題に対して、歌を通して人々の団結に力を注いだことである。特に1930年代
から60年代の期間では、シーガーに対する世間の評価に変化があり、聴衆の対象も特定の労働者達から
アメリカ庶民全体に発展している変動について考察を行う。二つ目は、音楽産業の商業的側面が色濃く
なってきた時代に、主要なメディアでは取り上げられることが少なかった対抗文化の意見を、プロテス
ト・ソングによって表現し、その普及活動を進めていったことである。彼自身の言葉と楽曲歌詞の分析
を行い、社会運動への意識を高めさせるために、聴衆に共に歌うことを求め、歌詞に込めた思想の共有
に尽力したことを明らかにする。"						
						
*例会会場(日本大学歯学部)						
 例会は4号館3階・懇親会は斜向かいの3号館地下です。						
(JR 御茶ノ水、営団千代田線新御茶ノ水、都営新宿線小川町他下車)						


連絡先 例会担当理事 河内裕二 YujiKawauchi(at)ses-online.jp


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