大会担当理事よりのお知らせ

第39回英米文化学会大会要項

・目次
  大会日時・開催方法
  大会プログラム
  抄録

英米文化学会

第39回大会
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日時:2021年9月4日(土)9時30分〜18時10分

開催方法:オンライン(Zoom利用)

オンライン開催(Zoom利用)、ハンドアウト配布に関しては
こちら
9月4日(土)
開会の辞 <9:30- 9:40> 英米文化学会会長 君塚淳一(茨城大学)

研究発表
1. Ewan MacColl のラジオ・バラッド The Big Hewer からみる炭鉱労働者の表象とフォークロア:
イギリスのフォークリヴァイヴァルの過程と影響を通じて
<9:40-10:20>
発表者 廣瀬絵美(日本女子大学大学院博士課程後期)
司会者 永田喜文 (明星大学)

2. 『十二夜』の‘List of Characters’から読み解く編集者と翻訳者の視点
<10:20-11:00> 
発表者 雨森未来  (就実大学)
司会者 渡辺浩 (就実大学)

小休憩 <11:00-11:10>

3. 信念が固定している人物の単純性−ホーソーンとゴーリーの作品比較−
<11:10-11:50> 
発表者 笠原慎一朗(昭和女子大学)
司会者 越智敏之(千葉工業大学)

4. 準動詞を比較対照する学習活動による学生の英文理解への意識変化
<11:50-12:30> 
発表者 平田稔(東京薬科大学)
司会者 石川英司(城西大学)

昼食休憩 <12:30-13:10>

5. 美は形式にあり−能『殺生石』英語訳におけるB.H. チェンバレンの詩法−
<13:10-13:50> 
発表者 式町眞紀子(法政大学)
司会者 曽村充利(法政大学)

小休憩 <13:50-14:00>

ワークショップ 14:00-16:10<小休憩15:40-15:50>

アジア・パシフィック劇場文化分科会ワークショップ
共振するアジア・パシフィック演劇−劇場空間から読みとく複数性−

発表者 赤井朋子(神戸薬科大学)
石塚倫子(東京家政大学)
閑田朋子(日本大学)
川田伸道(同志社大学)
古木圭子(奈良大学)
司会者 藤岡阿由未(椙山女学園大学)

小休憩 <16:10-16:30>

基調講演 <16:30-18:00>
On the Stages in the Transformation of an English Poem into an English Song

講演者 北林光(大東文化大学名誉教授)

閉会の辞 <18:00-18:10> 英米文化学会理事長 曽村充利(法政大学)

オンライン懇親会 <18:10-20:00> 


英米文化学会第39大会抄録



Ewan MacColl のラジオ・バラッド The Big Hewer からみる炭鉱労働者の表象とフォークロア:
イギリスのフォークリヴァイヴァルの過程と影響を通じて


廣瀬絵美(日本女子大学大学院博士課程後期)

 本発表では、1950 年代から60 年代におけるイギリスのフォークリヴァイヴァルのなかで重要な役割を果たした俳優・フォークシンガーのユワン・マッコール (Ewan MacColl, 1915-89)、彼の妻でフォークシンガーのペギー・シーガー (Peggy Seeger, 1935-)、BBCラジオのプロデューサーのチャールズ・パーカー (Charles Parker, 1919-80)が製作したラジオ・バラット The Big Hewer (1961)を扱う。ラジオ・バラットとは、新しいジャンルのドキュメンタリー形式のラジオ番組であり、歌、あらかじめ録音された市井の声や日常の生活音などから構成された、当時としては画期的な試みであった。“The Big Hewer”という超人的な力を持つ巨人の炭鉱労働者のフォークロアを、歌や炭鉱労働者の語りの中から分析し、そこから表象される炭鉱労働者の姿とその感情や過酷な現実、あるいはそのような現実のなかでうまれたユーモアを読み取り、ラジオ・バラッドが新たな民衆文化の形態としてイギリスのフォークリヴァイヴァルに与えた過程と影響を考察する。





『十二夜』の‘List of Characters’から読み解く編集者と翻訳者の視点

雨森未来(就実大学)

 シェイクスピア(William Shakespeare, 1564-1616)の劇作品における‘List of Characters’(登場人物の一覧表)の頁は本文の直前にあり、そこには登場人物の名前と役柄などの情報が記載されている。本発表では作品を受容する時代の指標や、編集者と翻訳者の指針が独自の着眼点としてこの頁に表れることを明らかにする。
人物名の順序は、近代最初のシェイクスピア作品の全集(1709)の編纂者であるニコラス・ロウ(Nicholas Rowe, 1674-1718)が当時の階級制度と男女の社会的な性差に基づいて定めた。本発表では主要な英書テキストと和書の翻訳本を通して『十二夜』(Twelfth Night, 1601)の‘List of Characters’の構成内容がロウの基準から脱却を遂げることに焦点を当て、具体的には男女の社会的な優劣につながる配置と、身分の序列の概念が反映される配列が否定されることで起こる変容を分析する。




信念が固定している人物の単純性−ホーソーンとゴーリーの作品比較−

笠原慎一朗(昭和女子大学)

 ホーソーン (Nathaniel Hawthorne, 1804-64) の “The Gentle Boy” (1832)やゴーリー (Edward Gorey, 1925-2000) のThe Pious Infant (1966) には、17世紀イギリスのピューリタンの牧師、ジェーンウェイ (James Janeway, 1636-74) の A Token for Children (1671) からの影響が見られる。A Token for Children は、17 世紀にアメリカへ移民したピューリタンたちが子供を教育するために使用したが、そこで書かれている人物たちは、宗教の枠の中で、型にはまった模範的な言動のみを行う。ゴーリーは A Token for Children の内容に沿った人物を The Pious Infant で描いている。ホーソーンは、宗教的な枠の中で生きる人物だけでなく、それ以外の信念に狂信的になる人物が登場する作品も書いている。ゴーリーやホーソーンの創作したそれらの登場人物たちは異なる価値観を受け付けないし、自分の生き方に迷うこともないため、決まりきった言動になり、人物像は単純化される。ホーソーンとゴーリーの作品を比較して、単純化された人物を創作した意味を考察する。




準動詞を比較対照する学習活動による学生の英文理解への意識変化

平田稔(東京薬科大学)

 本発表は、日本の大学生の一般教育の段階での準動詞の修得状況を調査し、準動詞の理解と習得に焦点を当てる授業内活動を通じた、英文の構造と意味理解に対する意識変化を報告するものである。発表者の予備校・塾での英語指導の経験から、中高校生の準動詞理解は理想から程遠く、また、大学の英語教育現場においても、準動詞の理解度を問う設問の正答率は同様の結果であった。これらの状況を鑑みると、外国語として英語を学習する際、品詞と文型の理解が容易ではなく、特に準動詞は動詞に別の品詞の機能が加わるために理解難易度が高くなると推測される。そこで、準動詞は相互に比較対照することにより理解が深まると想定し、不定詞・動名詞・分詞を品詞と文中での機能の観点から比較して作成した「準動詞機能分類一覧表」を用いた英文読解活動を実施した。本発表ではその結果を報告し、さらに準動詞理解とその学習効果に関する学生の意識の変化を考察する。




美は形式にあり−能『殺生石』英語訳におけるB.H. チェンバレンの詩法−

式町眞紀子(法政大学)

 バジル・ホール・チェンバレン(Basil Hall Chamberlain、1850-1935)は、能の愛好家を自負し、来日から3年後の1876年10月、The Cornhill Magazine誌上で自身の初の能の英語訳であるThe Death-Stone(『殺生石』)を発表した。The Death-Stone はその後修正が施され、『万葉集』『古今集』や能『羽衣』などと共にThe Classical Poetry of the Japanese (1880)に再録されたが、能を詩劇とみなしていたチェンバレンは、英訳するにあたり韻律をことのほか重視した。本発表では、シテとワキ、二人の登場人物が交互に謡う中で、主人公の正体が徐々に明らかになっていくという『殺生石』前半の劇的緊張場面が、様式や規格を尊重するチェンバレンの詩法によって、英訳においても能の場合と同じような効果を得られているかについて検証する。




<アジア・パシフィック劇場文化分科会ワークショップ>
共振するアジア・パシフィック演劇−劇場空間から読みとく複数性−

発表者 赤井朋子(神戸薬科大学)
石塚倫子(東京家政大学)
閑田朋子(日本大学)
川田伸道(同志社大学)
古木圭子(奈良大学)
司会者 藤岡阿由未(椙山女学園大学)


 20世紀のアジア・パシフィック地域は、戦争による軋轢と破壊を経験し、またポスト・コロニアルの時代には新たな課題へ直面し、いずれにしろ文化接触がもたらす複数性とアイデンティティ形成は乖離することはなかった。「アジア・パシフィック劇場文化分科会」では、アジア・パシフィックという領域を設定して共同研究を行い、国ごと地域ごとの研究では得られないトランスナショナルな視座の獲得を企図し、メンバーは各国の劇場における上演研究を行っている。本分科会では、20世紀のアジア・パシフィック地域における、劇場から見た各国のアイデンティティの複数性、そして国境を越えた関わりの探求を最終目的とし、2018年度から活動を続けてきた。本ワークショップは、その中間発表として5つの都市(沖縄、シンガポール、メルボルン、ロサンゼルス、東京)の上演を取り上げ、それぞれの文化的アイデンティティの複数性を考察する。




基調講演

On the Stages in the Transformation of an English Poem into an English Song

Hikaru Kitabayashi (Professor Emeritus, Daitobunka University)

 This talk will focus on the role of rhythm in creating both poems and songs. It proposes that rhythm plays a central role in both categories of literature. It will seek to explain rhythm in terms of vowel length and the use of repetitive patterns. It accepts as axiomatic that the main difference between verse written as a poem and verse written as a song is in the emphasis of different sensory perceptions, where the poem may be thought of as putting relatively more emphasis on perception by the eye whereas a song puts more emphasis on perception by the ear. It will be taken as axiomatic that both artforms depend on regulated distortion of language, but that poetry tends to make more use of grammatical distortion, whereas songs tend to make more use of sound distortion. Upon discussing how poetry and song tend to be differentiated, discussion will take place of how poetry might be transformed into song and song into poetry, and how prose can be turned into either. For this purpose, the process of turning a poem into a song, a song into a poem, and a piece of prose into both will be illustrated by actual examples. The talk will then be wrapped up by a discussion of literature as a business and will use the music industry as a case in point. It will briefly cover the revolutionary changes the music publishing industry is undergoing, a process which is opening new territory for monetizing literature, and will end with a call for the creation of a new academic discipline, which might be called Applied Literature by analogy with that field of study known as Applied Linguistics.






問い合わせ:大会担当理事





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